2014年GW:大峯奥駈道縦走




(2014年4月30日〜5月4日:4泊5日 テント泊)

吉野から熊野へ…

(※熊野から吉野に向かうことを順峯、吉野から熊野へ向かうことを逆峯という。)

最終日、熊野本宮大社にお参り後、本宮前での記念写真
大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)

以前から縦走してみたかったが、なにせ遠いのと、土地勘の無さで伸び伸びになっていた。

しかし、色々自分で調べたり山仲間に聞きまくるとバスや電車を使って起点(吉野)にすんなり戻れることが判明。
「よし、今年の GW は奥駈だ!!」と勇んで出かけた。

※アバウトな計画

  • 下千本か吉野神宮駅裏の駐車場に車をデポ
  • 熊野からは「日本一長い路線バス」で五條駅、五條駅から JR で吉野口、 吉野口から近鉄吉野線で吉野神宮駅か吉野駅
下千本駐車場は広大でトイレあり。ただし、GWや桜の季節は 1500円/日(1回あたりかもしれないが未確認)
吉野神宮駅裏の駐車場は 300円/回 で安い。トイレ無。

[概要] ウィキペディアより抜粋

吉野山奥千本にある道標(大峯奥駈道は手前から左へ続く、右は百貝岳方面への分岐) 大峯奥駈道は、奈良吉野山と熊野三山を結ぶ、もとは修験道の修行場として開かれた道であり、 熊野古道の中で最も険阻なルートをなす。 今日、一般的に大峰山(大峯山)といえば山上ヶ岳を指すが、大峯奥駈道でいう「大峯」とは、 吉野から山上ヶ岳を経てさらに奥の山々、そして最終的には熊野三山に至る大峰山脈を縦走する修行の道全体を指している。

※自分の記録を残すため撮影時間を写真に付記しています。登山時間は気象や体調などで大きく変動します。 一般的なコースタイムとは異なります。

4月30日(水):吉野駅→山上ヶ岳→小笹宿(雨後曇り)

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2014/04/30 5:13:05

5:30始発の電車で吉野神宮駅から吉野駅に向かう
29日、そぼ降る雨の中、吉野に出発。順調に下千本駐車場に着く。 夜は無料開放されていたが、今の時期は 1400円/日 と聞いているので、ここで車中泊後(トイレ有)吉野神宮駅裏駐車場(トイレ無)まで戻る。

2014/04/30 5:50:00

吉野神宮から2つ先、終点の吉野駅
ホームが広い! 始発なので殆ど人影無し。
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2014/04/30 5:50:32

2014/04/30 5:53:40

吉野駅前
朝早く、ロープウェイも動いていないので、ここから歩き始め。吉野山、昨夜車中泊した下千本、中千本、上千本、奥千本と徐々に標高を上げながら歩きます。

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2014/04/30 6:36:13

暫くは宿坊などが立ち並ぶ舗装路。霧雨の中、人一人いない道はなかなかの趣。

2014/04/30 8:21:36

金峯山寺(きんぷせんじ)。創立は、大峯奥駈道の開祖、役小角(えんのおづの、えんの行者)と伝えられる。 朝靄の中、良い雰囲気です。

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2014/04/30 8:37:56

奥千本登山口。ここから本格的な登山道です。
五番関までの巻道は崩落のため通行止めだそうです。分岐(二蔵宿小屋)で「注意書」はありません(五番関にはあります)。 ここで見落とさないように注意!
二蔵宿小屋の分岐で思い出し、大天井ヶ岳に向かいます。しかし、この大天井ヶ岳、急なうえに運搬用のモノレールがずっと隣で癪に障ります。

10:54:45

大峰のスミレ
葉を見るとフイリヒナスミレですが花の色がチョットちがう…シハイスミレ(紫背菫)?
そういえば、どこでもある(と思っていた)タチツボスミレは少なく、代わりにフモトスミレ(トウカイスミレ?)やこのスミレが目立っていた。 さらに、奥秩父の苔むした林床で普通に咲く、バイカオウレンを見ることは無かった。こちらでは咲かないのか、それとも時期外れ??

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2014/04/30 13:29:52

女人結界門。時代遅れで女性差別だと反発する気もわかるが、「女」の文字を壊すのは如何かと思う…
ここから山上ヶ岳まで、地図では近い気がするが、アップダウンでかなり手こずります。

2014/04/30 15:42:54

まだ足が慣れず、また、初日の重いザックを担ぎヘロヘロ状態で見た…山上ヶ岳山頂付近の荘厳な大峰山寺や宿坊は 異種独特の雰囲気に包まれていました。

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ここから山頂まで、道は良いものの階段等、腿にかなりのダメージがあります。 結局、清水の流れる小笹宿には5時過ぎに到着。初日から11時間強のタフな歩きでした。 小笹の宿は4人で一杯のような狭い避難小屋(殆どの避難小屋にトイレは併設されていません)。 小笹宿には先着の2人が宿泊。こちらは迷わずテント。テントは我々のみ。気持ちの良い場所で、夕食後、持ってきたラム酒(度数75%!)の水割で 直ぐにほろ酔い状態。最高のロケーション! 流水の音を子守唄にあっという間に眠りに落ちました。
15:59:55

5月1日(木):小笹宿→弥山(晴れ)

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先着の2人は、我々が起きだしたころ、既に出発済み。 前夜熟睡できたおかげで、こちらも元気に歩き出します。

今日は弥山まで。麓から登るることの無い稜線歩きなので楽かといえば、そんなことは無く、およそ思いつく限りの仏教用語を冠した山々を 上ったり下ったり…悪路もあります。

写真中央は弁天の森付近から見た大普賢岳。左は昨日超えた山上ヶ岳方面。既に遥か彼方の後方…これだけ歩いた後で、痺れるような弥山の登りが待っています。
逆に、大普賢岳から弥山方面を見たときにはあまりの遠さに、他に近くでより高い山を探してしまった(当然、在るわけなく愕然)…

水は中間点の行者還岳(ぎょうじゃがえりだけ)の下、行者還避難小屋付近で大量に流れています。

2014/05/01 13:45:09
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2014/05/01 15:07:39

2時過ぎに弥山(みせん)小屋に到着。弥山は唯一の営業小屋。雪の残る小屋前にテントを張ってから、直ぐそばの山頂を散策。
15:13:32

展望はあまりありません。小屋に戻って水(4L、1L/100円)とビールを購入、持ってきたラム酒をチビチビやりながらマッタリ(とはいえ、今日も10時間)…

5月2日(金):弥山→天狗山の先(晴れ)

今日の目標は持経ノ宿。持経ノ宿まで駒を進めれば明後日に熊野本宮大社も射程圏内に入る(4泊5日)。
しかし、天気が良すぎて…
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2014/05/02 5:38:23

5時前に出発。紀伊半島最高峰の八経ヶ岳に進みます。周辺はオオヤマレンゲの群生地(柵で囲まれています)、花はまだまだこれから…
弥山・八経ヶ岳周辺はまだ残雪に覆われていますがアイゼンを使うようなところはありません。もちろん、6本歯アイゼンはザックに 入っています(その年の状況で異なるはず…)。

2014/05/02 7:45:10

朝靄の登山道。好きな雰囲気です。

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2014/05/02 9:13:33

見えてきた釈迦ヶ岳。途中2箇所、崩落した崖をヘツリます。最初は高巻くこともできたようですが2番目は突っ切ります。 どちらもロープ等は無いので非常にスリリング!

2014/05/02 10:04:29

徐々に立ち枯れの目立つ荒涼とした世界に変化、そして、前兆というか予感通りに、釈迦ヶ岳山頂までは絶壁・痩せ尾根の悪路となります。

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2014/05/02 11:23:37

うんざりしながら垂直に近いロープを手繰って登ると、釈迦ヶ岳山頂にポンと飛び出します。山頂には立派な釈迦立像。 それに、今まで見なかった数の人々(といっても4〜5人ですが)が我々とは対照的に穏やかな顔つきでくつろいでいました。 聞くと皆反対方面から来たということ…悪路終了ということでこちらも穏やか顔に (^.^)

2014/05/02 13:36:13

太古の辻
釈迦ヶ岳下、深仙小屋の水場はチョロチョロとしか出ておらず、必要量の水を得るのに1時間近くかかってしまう (釈迦ヶ岳を通り越した先の水場を選択すべきだった…巻道を通って深仙小屋に戻れます)。 とにかく水を担いで行けるところまで…
太古の辻から先は殆どの標識が「南奥駈道」となります。因みに今までは「奥駈道」…

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2014/05/02 15:16:56
水をタップリ背負って余裕が出たこと、また、あまりに天気が良かっことで徐々にやる気が…
こんな天気に、周りをよく見ず、必死で歩かなくても(日にちは余裕あり)…
2014/05/02 15:17:29

ということで、持経ノ宿、遥か手前(天狗山の先)で早々と幕営。持参のラム酒割りをチビチビやりながら南紀の山々を日が暮れるまでズット眺めていました。 もちろん、酒はどんどん進み、いつの間にか気持ちよくダウン。 気が付いたらテントの中で夜8時…笹原に座っていた筈なのに何時テントに入ったのやら…? (^.^)

5月3日(土):天狗山の先→森林植物公園(晴れ)

持経ノ宿手前で幕営したことで、明日の熊野はほぼ諦め状態(現実は「修行の一日」となったのですが…)。
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2014/05/03 5:18:52
ヘッデン付け、誰もいない暗闇の稜線歩きと静かな山奥の夜明け…動物のように研ぎすまれた気がして大好きな一瞬です。
2014/05/03 5:53:11
朝日を背に黙々と進みます。
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涅槃岳(相変わらずの仏教用語オンパレード)。
予定が一日伸びるのは想定内、とりあえず気楽に持経ノ宿まで。

持経ノ宿には管理人さんが居て、色々話が弾む。吉野から通しで来た人ならゴミも溜まっているだろうから置いて行ったらいいよという申し出に ありがたく捨てさせていただく。もちろん、大した重さではないのだが、その心のこもった申し出に感激! 水も、ポリタンクから分けてもらえて感謝!!
今日はどこまで進むのかという問いに「できれば「森林植物公園」まで行って、明日、熊野に行ければ最高」といったら即座に「この時間では無理」の返事。 ま、進むだけ進んで適当な所で幕営をと決心して、とにかく先に進む。

行仙宿を過ぎ、低山にしてはきつ過ぎる笠捨山を越す時点で既に2時過ぎ… 地図では約25分下ったところにテントマークと水マーク。 若干早い気がするが、そこで幕営と決め下ったところは…暗い杉林でテントに適地は? おまけに水は「涸れることあり」の標識。 知り合いの Y さんが幕営したと聞いたが、最悪水も得られない状態でこんな場所での幕営を想像したら…はっきり言って「イヤ!」。 日が暮れる可能性があるが、何としても森林植物公園に向かうことを決心。カメラをザックにしまい、ここからはしゃにむに全速力。 縦走4日目となれば足もかなり出来上がり、ガンガン飛ばして何とか暗くなる前に森林植物公園に着くことができた。 ということで、否応なく、明日熊野に行ける状況に復帰。本日は12時間強の強行軍、疲れと満足感に包まれ今宵も気持ち良く爆睡。

2014/05/03 7:11:55

5月4日(日):森林植物公園→熊野本宮大社(晴れ)

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森林植物公園は登山道から約20分外れた駐車場付きの公園(すでに里山の雰囲気)。水も流れているしトイレもある快適な場所。 我々はトイレ上部の広場に、他にも何組かが思い思いの場所で幕営。縦走以外の人も結構幕営しているようだ。

最終日も長いので3時過ぎには食事を終えて、4時、ヘッデンを付けて出発。
玉置神社までは、時折車道と交わる整備された道。何となくゴールが近いことを予感させ、思わず足が速まります(しかし、現実はまだまだ…)。

2014/05/04 5:30:29
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2014/05/04 6:45:00
世界遺産記念碑
2014/05/04 7:19:13
玉置神社と宿坊。派手さが無い分、かえって太古から続く神秘的な荘厳さが迫ります。
次回は宿坊に泊まってみても良いかな…
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2014/05/04 11:18:43
玉置神社を過ぎて暫くすると、またアップダウンの連続する狭い登山道に入ります。 相変わらず五大尊岳とか大黒天神岳とか… ただし、両側にはゴールに向かって背中を押してくれるかのように石楠花やツツジの群生(関東より一月早い?)。 いやがうえにも熊野本宮大社へのフィナーレに思いを馳せ、気持ちが高まります。
2014/05/04 13:09:31
ウラシマソウ(浦島草、サトイモ科テンナンショウ属)
関東ではなかなか見られない(少なくとも私には)ウラシマソウがいくつか…
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2014/05/04 15:18:47
やっと辿り着いた熊野本宮大社
5日間、毎日10時間以上の歩きを経て目的地に着いた達成感と喜び…服・体全てが泥と埃と汗にまみれた姿ですが清々しい気持ちで フィナーレです(最終日も約11時間)。
2014/05/04 19:02:12
お参りと記念撮影を済ませ、道路を挟んだ反対側の観光案内所で湯の峰温泉の民宿を紹介してもらう。 GW真っ只中なので心配したが何とか空いていて本当に良かった。直ぐにお風呂に入り、ビニール袋に入れてきた着替えと 汚れた衣服を取り換える。夕食を貪り食べたら、外に出て、またビール(+カツオのたたき等)で乾杯!
小さな温泉街の夕方、夜風が火照った頬に気持ち良く、きつかった山旅を締めくくりました。

5月5日(月):湯の峰温泉→吉野神宮駅(曇り時々雨)

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都合の良いことに湯の峰温泉に日本一長い路線バスのバス停があり、 8:50分発八木行(五條の先)に乗ります。起点の吉野神宮駅に戻るには五條から JR で吉野口、さらに近鉄吉野線で吉野神宮まで戻ります。

写真後ろにバス停の看板あり(五條方面は反対側)。

この八木新宮バス、五條まで何と4時間! 途中、日本一大きな村といわれる十津川村や日本一長い吊り橋と「日本一」づくしです。 十津川(熊野川)沿いの深い深い渓谷をウネウネと進む車窓から眺めていると「こんなところの山々を本当に歩き通したのか!」 と改めて5日間を噛みしめました。

お昼には吉野神宮に戻ったが、GWのラッシュを考慮してゆっくり休み休み運転。深夜に帰宅。

2014/05/05 8:40:45

まとめ

6日目は雨。五大尊岳の急な粘土質の下り坂等を考えると、 無理しても晴天のうちに下山できたのは結果的に正解。
しかし、キツイ山行(修行)でした。 体重も息子共々約4K減でしたが、その後、食べるもの全てがおいしくて急激に回復中…  今はリバウンドしないように気を使っている毎日です。

[思ったこと] やはり日本人には古神道、森羅万象に命や神霊が宿るとした(山岳)信仰、が似合うと改めて思いました。

食料

衣類

ザック重量

約19Kg強(初日、水を含む)