2019/8/10-8/19:お盆、北海道山の旅



虹の十勝岳

今年のお盆、日本百名山の残った北海道の4座(羊蹄山、幌尻岳、十勝岳、そしてトムラウシ山。息子はプラス御嶽山)を片付けることにした。 できれば大雪からトムラウシをテント縦走したかったが過去2度悪天候で断念しているので、今年はピークハントに徹して、とにかく百名山に区切りをつけることにした。ということで日帰り装備のみ(テント装備+でかザック無しで車の中はスカスカ)、縦走はまたいつか…

前回は新潟港からのフェリー。しかし、予約が非常に難しい。出発は(お盆前日の)平日、それでも高額な個室しか残っていなかった。津軽海峡フェリーは3ヶ月前から予約可能なので、今回はこちらを利用(東北道を延々と走らなければならないけど…)。


行程

8/ 9(金):夕方発、東北道阿武隈PA車中泊
8/10(土):青森→函館 道の駅 なないろ・ななえ 車中泊
8/11(日):羊蹄山、道の駅豊浦 車中泊
8/12(月):豊糠山荘泊
8/13(火):幌尻岳、幌尻山荘泊
8/14(水):幌尻山荘→十勝岳・望岳台 車中泊
8/15(木):十勝岳→道の駅サラブレッドロード 車中泊
8/16(金):襟裳岬、みついし昆布温泉 蔵三泊
8/17(土):トムラウシ岳短縮登山口車中泊
8/18(日):トムラウシ岳→函館→青森、高館PA車中泊
8/19(月):青森より帰宅
まとめ


8/10(土):青森→函館 道の駅 なないろ・ななえ 車中泊

0.jpg お盆休み初日となるとアチコチかなりの渋滞、おまけに、事故渋滞が重なり時間ギリギリで青森(津軽海峡フェリー 19:10 発)に着いた。

函館に着いたら、道の駅 なないろ・ななえに移動(なんと、ここに北海道に渡ったものの車トラブルで動けなくなった熊さんが居た!)。


8/11(日):羊蹄山、道の駅豊浦 車中泊

dsc01562.jpg 羊蹄山比羅夫コース登山口

道の駅 なないろ・ななえ車中泊後、羊蹄山(比羅夫コース)登山口に向かう。 (熊さんには申し訳なかったが我々ではどうしようもない。結局、車を修理屋に置いて電車で帰宅したとのこと。)

駐車場(ほとんど管理されていないがキャンプ可、水道・トイレ有)は狭いが、道路わきなど空きスペースはかなりある。 テント泊の人も数人いた。

稜線まで地味な樹林帯を延々と登る。道すがら咲いている花の写真を撮りながら…

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キツリフネ(黄釣船、ツリフネソウ科)

ノブキ(野蕗、キク科)

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キンミズヒキ(金水引、バラ科)

オトギリソウ(弟切草、オトギリソウ科)

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トウウチソウ(唐打草、バラ科)

イワギキョウ(岩桔梗、キキョウ科)

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イワブクロ(岩袋、ゴマノハグサ科)

北海道から東北地方の高山帯に分布する。

チシマフウロ(千島風露、フウロソウ科)

北海道/東北地方の亜高山帯/高山帯に分布。

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オノエリンドウ(尾上竜胆、リンドウ科)

ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草、キク科)とオトギリソウ

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延々と一本調子に登ってやっと稜線に出ると一気に景色が広がる。
(途中、山友のゆきさんとすれ違う…)

お鉢巡り(山頂は右の出っ張り)

dsc01590.jpg 羊蹄山山頂

グルっと噴火口を一周して下山。 それから真狩温泉でお風呂+食事後とようら – 北の道の駅で車中泊。


8/12(月):豊糠山荘泊

dsc01595.jpg とよぬか山荘 (シャトルバスの起点)

幌尻岳登山のため、予約した豊糠山荘に移動。前泊。 とよぬか山荘は廃校を宿泊施設にしたもの。 一泊5000円で、夕食はジンギスカン、朝はおにぎり。お風呂あり。個室は無いが十分なスペースの階段ベッド。 コストパフォーマンスは高い!

幌尻岳に登るには以下の3ルートがある

  • 糠平川コース(幌尻山荘泊が必須)
  • 新冠コース(2019年は林道通行止めのため不可)
  • チロロ林道コース(往復10数時間、通常は山中テント一泊)
最初、渡渉の無い新冠コース(長い林道を歩いて、予約不要な新冠幌尻山荘泊)を予定していたが、通行止のため諦めた。 チロロ林道コースは山中テント泊、または長い登山時間がネック。北海道の山に慣れない我々には敷居が高く、これも諦めた。残るは糠平川コースのみ。普通、幌尻岳登山のルートと言えばこの糠平川コースとなる。 しかし、日本百名山の中で幌尻岳が一番登頂困難と言われるのもこの糠平川コース。理由は
  • 幌尻山荘の予約が必要(テント不可、定員以上の予約不可)
  • 糠平川渡渉、雨が降れば諦め
  • シャトルバス利用必須、日帰りは不可能
以前は一般車両でも林道ゲート駐車場まで入れて、健脚なら日帰りも可能だったようだが今はシャトルバス(約一時間、片道2000円/人)以外は通行不可。 幌尻山荘は完全予約制でテント不可。雨などで糠平川渡渉不可となれば、簡単に再予約できるはずもなく即諦めとなる。運任せの山である…(今回は晴れ、台風接近の最中、運が良かった!)


8/13(火):幌尻岳、幌尻山荘泊

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シャトルバスで林道ゲート駐車場まで、その後は北海道電力取水ダム(三ノ沢)まで約2時間の林道歩き!

所々に滝が…

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取水ダム。ここから登山道。

直ぐにこんなところをへつる…この先で沢靴に履き替えて渡渉が始まる。

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こんな渡渉を数えきれないくらい繰り返す。

幌尻山荘に着いたら、受付をして、余計なものをデポして、直ぐに幌尻岳山頂に向かう。 後ろのブルーシートは食事などの場所(山荘内で食事などはできない、ザックも持ち込めない…)。

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ウスユキトウヒレン(薄雪唐飛廉、キク科)

ミヤマダイコンソウ(深山大根草、バラ科)

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エゾヒメクワガタ(蝦夷姫鍬形、ゴマノハグサ科)とチングルマの果穂

ホロシリアズマギク、幌尻東菊(ミヤマアズマギク)

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幌尻岳山頂(とにかく天気に恵まれて、運が良かった!)

戸蔦別岳方面
できればあそこまで行って七ツ沼等を眺めてみたかったが、時間が無いので諦めた。もう行く機会は無いかもしれないが…

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リンネソウ(スイカズラ科)、ピンボケ…
名前は植物学者のリンネに由来。

北カール
よく羆が見られるようで、この日も目撃した人が居たが我々は見ることは無かった。

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幌尻山荘

幌尻山荘まで戻ったら、持参した酒や購入したビールを飲んで時間をつぶす。 山荘自体は狭いので調理・食事は外。ザックなどは縁の下の格納スペースに入れ、夕食後、就寝は最少の荷物で中に入る。 狭い中での慣れない雑魚寝でほとんど眠れなかったが、横になってウトウト、なんとか疲れは取れた。

8/14(水):幌尻山荘→十勝岳・望岳台 車中泊

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また渡渉を繰り返し取水ダムまで戻り(途中羆の目撃情報あり)、 林道を歩き、そしてシャトルバスで豊糠山荘まで戻って車を回収したら、十勝岳登山口の望岳台を目指す。 途中美瑛ゲストハウス&温泉宿 白金の湯で温泉。台風が迫っているが、明日いっぱいは大丈夫…
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深い所でこの位…雨などで渡渉不可能になることは簡単に理解できる。

取水ダム手前の水たまりに住み着いたサンショウウオ。

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シナノナデシコ(信濃撫子、ナデシコ科)

また長い林道をシャトルバスに乗るため戻ります…

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ウメバチソウ(梅鉢草)

ハンゴンソウ(反魂草、キク科)
花はキオンに似るが、葉の深い切れ込みが特徴。また、道端に多く咲いていたオオハンゴンソウとは葉が似ているが、花が異なる。

8/15(木):十勝岳→道の駅サラブレッドロード新冠 車中泊

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広い望岳台の駐車場からスタート。山頂に雲がかかっているが、総じて良い天気!

エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆、リンドウ科)?

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荒涼とした世界!

雲から出たり入ったりの山頂…

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谷筋には雪が…

山頂は雲の中。風と細かい雨…写真を撮ったら直ぐに引き返した。

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下山時に虹が!

良い感じ!


今後、台風のため天気が荒れるとのことなので明日はドライブと観光に徹することにした。 まだ行ったことが無い襟裳岬を目指すことにした。ニュースでは津軽海峡フェリーが運休するかもしれないと報じていたので、確実に乗船できるように予約を後ろにずらすことにした(半分諦めていたトムラウシの可能性も考慮して…)。 ただし、皆考えるのは同じで、8/18(日) 22:05 の便しか残っていなかった…

襟裳岬に向かう途中 北の道の駅-サラブレッドロード新冠 で車中泊。


8/16(金):襟裳岬、みついし昆布温泉 蔵三泊

dsc01685.jpg 襟裳岬

コインランドリーに寄って汚れもの全てを洗濯してから、日高本線に沿って海岸線を襟裳岬に向かう。 台風の影響で海が次第に荒れてくる様子が窓からハッキリと!

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ここで海鮮丼を食べたけど…(記述はここまで、後は記憶に保存)。

シラタマノキ(白玉の木、ツツジ科)

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次第に荒れてくる海岸線! 今夜のお宿みついし昆布温泉 蔵三。スタッフ、温泉、料理等満足(それなりのお値段ですが…)でした!

8/17(土):トムラウシ岳短縮登山口 車中泊


台風一過! 本日、明日ともに晴れ予報。残る1座、トムラウシに登れるかどうか検討。 要はトムラウシに登ってから明日夜9時過ぎ(出航は10時)に函館にたどり着けるかどうか?
カーナビでシミュレーションしてみると、トムラウシ(短縮)登山口からピストンするとして、お昼前後に下山(朝4時に出発すれば多分可能!)できればギリギリ夜9時過ぎにフェリー乗り場にたどり着けることが分かった! もちろん交通事情等に依存するけど、折角の晴れ、再訪は早くて来年等色々考えて、結局明日トムラウシに登ることにした。間に合わなければキャンセル待ちも覚悟して…
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オオハンゴンソウ(大反魂草、キク科)

葉に、名前の通り、深い切れ込みがある。ただし、花は「ハンゴンソウ」とかなり異なる。北米原産の帰化植物。 登山口に向かう道すがら至る所に群生していた。

トムラウシ岳短縮登山道口駐車場(トイレ有)

とにかく凄い山奥。 トムラウシ温泉-東大雪荘まで全く人気のない深い深い森の林道を延々と走って、さらに8Kmチョット奥に入る。 そんなわけで近くにレストランなどあるわけなく、途中のコンビニで購入した夕食(テーブルも積んでいたが出さずじまい)。同じように車中泊の人達(数人)と少し話した後、明日4時には歩き出すため、早めに就寝。

8/18(日):トムラウシ岳→函館→青森、高館PA車中泊

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(ダイセツ)トリカブト(鳥兜、キンポウゲ科)

何とか4時前に出発。しばらくはヘッデン点灯の暗闇、明るくなった最初に見た花。

コマドリ沢出合から前トム平に向かう岩場。ナキウサギの声は聞こえたが姿は確認できず…

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前トム平先のゴロゴロとした岩場

見えてきた山頂

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ミヤマリンドウ

トムラウシ山 山頂
私の日本百名山100座目(息子は99座目)

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山頂からみる十勝岳方面 美瑛富士(左)がハッキリ見えてきた…

dsc01727.jpg カムイ天井

この暫らく先を左に曲がると直ぐに短縮登山口、まっすぐ延々と進めば東大雪荘にでる。

朝4時少し前に出たおかげで12時過ぎに下山できた。 夜10時発フェリーに乗るためには、夜9時には函館フェリー乗り場に着かないといけない。 というわけで、さっと着替えたら脱兎のごとく函館に向かって出発! 途中の夕食はスキ家でカレーと短時間で済ませて、シミュレーション通り、なんとかフェリーに乗ることができた。

青森到着は深夜2時前。取りあえず高速に入って、高館PAで車中泊。翌日、お盆明けの月曜日、行きとは対照的に順調な高速を走りに走って日が暮れるころには自宅に戻ることができた。


まとめ

台風で帰宅は一日延びたが、何とか目標4座全てを登ることができ、取りあえず、自分の日本百名山を終了することができました。気ままに車中泊・避難小屋泊・ホテル泊等楽しい車旅行でした(全走行距離3600Km!)。 次は息子、御嶽山で親子の日本百名山終了!

[雑感]
北海道の道の駅にはゴミ箱、ペットボトルや缶の回収ボックスすら無い所が多い(殆ど?)。 勿論、ゴミの元となる食べ物・物品の販売や自動販売機は普通に存在する。 何となく理由は推察できるけど、自動販売機でペットボトルや缶を販売している以上、これは如何なものか? …ペットボトルや缶位の処理は必要経費と思うのだが??