北アルプス縦走(2009年)(双六岳、黒部五郎、鷲羽・水晶・赤牛岳)


(2009年 8月8日 〜 14日:5泊6日、小屋1泊・テント4泊)
恒例となってきた夏の縦走、南アもそろそろ飽きてきたころということで、今年は北アルプス( 北アルプスは家から遠いせいか今までは日帰りから2泊3日程度)。

8/8(土) :新穂高温泉(車)-> 双六小屋(天泊、夜は雷と豪雨)

金曜日の深夜到着。既に無料駐車場は一杯気味。空スペースを見つけ車中泊。 蒲田川は前日までの雨で轟々と流れていたので、即クリヤ谷からの笠は諦めた。笠新道は既に登っているし(2007/10/06〜07)、できるだけ奥まで入りたかったので双六小屋を目指すことにした。昼間は曇りだったものの、夜は雷と共に激しい雨。

DSCF8365.JPG

DSCF8367.JPG

2009/08/08 5:28:28 新穂高温泉

登山届けを出して出発。

2009/08/08 6:34:49 蒲田川の流れ

轟々と流れる蒲田川。笠新道は以前登っているので直接小池新道から双六小屋を目指す。

DSCF8368.JPG

DSCF8375.JPG

2009/08/08 11:31:26 鏡池

晴れていれば、槍・穂高が眼前に広がると同時に池には「逆さ槍」が見られるのに...

2009/08/08 13:28:26 双六小屋

鏡平で昼食後。それから弓折岳の稜線を越え、2622mのピークを越えると双六小屋と立派な鷲羽岳が見えてくる。

DSCF8376.JPG

2009/08/08 15:09:39 鷲羽岳

双六小屋の後ろから望む鷲羽岳。

8/9(日):黒部五郎小屋(天泊)

夜は雷が鳴り豪雨がテントを叩き続けたが朝には豪雨は止んでいた。双六岳を越えて黒部五郎小屋を目指す。晴れていれば黒部五郎岳を登るつもり。どっちにしろ急ぐ必要は無いのでゆっくりと出発。天気は晴れとは行かないまでも何とか槍穂高等は見える。 できれば、この日の内に黒部五郎岳を回るつもりだったが相変わらず天気がスッキリしないのでヤメ。夜になると雷は鳴らないものの、前夜に増して雨が強く振る。

 

DSCF8377.JPG

双六岳直登コースで双六岳山頂へ。

ただし本来の直登コースは雪渓上になるらしく、危険ということで雪渓間の岩場を登るコースに変えられている。

2009/08/09 7:25:06 双六岳直登コースと三俣小屋巻き道分岐

DSCF8378.JPG

DSCF8380.JPG

2009/08/09 7:25:41 鷲羽岳・水晶岳方面

双六岳山頂を過ぎると気持ちの良い稜線から鷲羽岳・水晶岳。

2009/08/09 7:57:36 槍・穂高

そして、振り返れば槍・穂高!

DSCF8390.JPG

DSCF8391.JPG

2009/08/09 9:09:58 笠ヶ岳

そして槍・穂高の右には笠ヶ岳の立派な円錐形。

2009/08/09 9:10:23 黒部五郎岳

稜線を三俣蓮華岳に進み、岐阜・長野・富山の県境を示す標識を左に進むと 黒部五郎岳が真正面になる。黒部五郎小屋はここからかなり下った鞍部にある。 見事なチングルマの群生を楽しみながら急降下。

DSCF8398.JPG

天場は小屋から若干離れたところ。小屋の後ろには薬師岳が控えている。

2009/08/09 16:27:10 黒部五郎小屋と薬師岳

8/10(月):黒部五郎小屋(停滞、ビールを飲んでは不貞寝の連続)

夜は前日に続いて豪雨。雷は鳴らないものの一晩中降り続けた。 結局、雨は延々と午後まで降った。 殆どのテントは停滞を決め込んだようだったが 数組は雨の中を撤収して次の目的地に向かったようだ。 朝、テントから撤収作業をしている隣の状況を見たが、 荷物はザックに入れる前、ほんの数秒のうちに皆ずぶ濡れになっていた! それを見て完全にやる気を無くして2度寝に入った。停滞決定。 次に目を覚ました時点でも 雨は降り続いており、テント場には池が出来ていた。そばでは単独女性が溝を掘って、 池から流れ出る水が自分のテントに向かうのを必死に防ごうとしていた。この雨では どうしようもないような気がしたので、とりあえず女性の荷物をザックに詰めてもらい、 それをこちらのテントに一旦移してからテントごと池から離した。そうこうしているときに、山仲間のたけさんが目の前を通り過ぎたらしい。雨は夕方には止んで陽も出て来たので、ずぶ濡れのテント等を乾かすことが出来た。ここで、停滞組みはビールを飲みながら色々と情報交換。先ほどの単独女性は明日雲の平、別の単独男性は明日一気に新穂高温泉に降りるという。ペアの男女一組がいたが、何と今朝土砂降りの中、黒部五郎岳に登って来たと言う(皆唖然)! 

8/11(火):黒部五郎岳(カールから稜線コース)->鷲羽岳->水晶小屋(泊)

天気予報では今日から何とかなるらしい。縦走としては遅い4時に起きて、 空を確かめてからテントを残して黒部五郎岳を目指す。戻ったら、テントを回収して三俣山荘を越して鷲羽岳から水晶小屋を目指す。

DSCF8406.JPG

最初はカールコースを採り、稜線コースでテント場に戻ることにする。
これからの晴れを暗示するかのような鷲羽・水晶方面の朝焼けが見事。

2009/08/11 5:00:01 朝焼けの鷲羽・水晶方面

DSCF8408.JPG

DSCF8413.JPG

2009/08/11 5:18:22 黒部五郎岳のカール

2009/08/11 5:44:13 カールに咲くコバイケイソウの群落

コバイケイソウ以外にもチングルマや色々な花が咲き乱れてなかなか見事!

DSCF8421.JPG

DSCF8429.JPG

2009/08/11 6:22:10

黒部五郎岳山頂。後ろは薬師岳。

2009/08/11 6:23:16

雲海。

DSCF8434.JPG

DSCF8445.JPG

2009/08/11 6:56:21

山頂からカールを覗く。遠くに先ほど通ってきた登山道が確認できる。

2009/08/11 8:12:19

稜線コースのチングルマの群落。

DSCF8449.JPG

DSCF8451.JPG

2009/08/11 11:27:18

黒部五郎小屋から急登し、三俣蓮華岳をトラバースしてからひと登りすると 三俣山荘と後ろに立派な鷲羽岳が見えてくる。

2009/08/11 11:50:41

三俣山荘を過ぎ、鷲羽岳の登りにかかったところで振り返る。

DSCF8453.JPG

DSCF8455.JPG

2009/08/11 12:49:15

鷲羽岳山頂手前で山仲間のロビンさんと師匠にバッタリ。 まぁ、大体分かってはいたけど、北アルプスど真ん中でのバッタリはなかなかうれしいもの。

2009/08/11 13:08:56

鷲羽岳山頂。微かに読めるような標識を手に持って、傍にいた人に写真を撮ってもらう。

DSCF8456.JPG

DSCF8461.JPG

2009/08/11 13:36:47

ワリモ岳方面は雲の中。

2009/08/11 18:02:24

水晶小屋前の稜線から見る鷲羽岳(奥)とワリモ岳。

DSCF8465.JPG

DSCF8475.JPG

2009/08/11 18:05:05

夕方から天気は晴れ基調。奥は野口五郎岳等。

2009/08/11 18:22:42

雲が稜線を横切り、鷲羽岳が雲に浮かぶ。

8/12(水):水晶岳->赤牛岳->読売新道で奥黒部ヒュッテ(テント)

水晶小屋はかなり高い標高位置で、さらに狭い岩場にある。今までの小屋と違い、水は 天水かヘリで揚げたミネラルウォーターを購入する。素泊まりとはいえやはりテントを 設営したり撤収する必要が無いのはありがたい。運よく泊まる人が少なく一つのフカフカ布団に 一人で寝ることが出来た。小屋では数年前に雁坂小屋でご一緒した夫妻とバッタリ、 翌日は大町駅まで面白おかしくご一緒した。

DSCF8478.JPG

DSCF8489.JPG

2009/08/12 5:22:10

最初は水晶岳を目指す。山頂付近はかなり険しいが道は整備されていて問題ない。

2009/08/12 5:59:19

水晶岳を越えると黒部湖が見えてくる。左は劔岳。

DSCF8494.JPG

DSCF8500.JPG

2009/08/12 7:06:46

赤牛岳までは気持ちの良い稜線漫歩。ただ、所々にケルンや目印を見失いやすい場所があるので ガスのときは稜線から離れないように注意。

2009/08/12 8:42:40

右の富士山のように綺麗な円推型の山は笠ヶ岳。左が水晶岳で、その左後方に槍が見える。

DSCF8503.JPG

DSCF8504.JPG

2009/08/12 8:47:26

赤牛岳山頂。目の前には薬師岳と巨大な3つのカール。

2009/08/12 8:47:34

中央に笠ヶ岳、右は黒部五郎岳、そして左は水晶岳。

DSCF8513.JPG

DSCF8515.JPG

2009/08/12 9:52:03

右の尾根が読売新道。赤牛岳からの最初の下りは狭くて急でザレている、 風雨の時は非常に危険で絶対に下りたくない。オマケに樹林帯の道は最初が苔がまだ残る石ゴロゴロ道、 続いて木の根が一杯の荒れた長い道。雨の降った後などはツルツルで歩きづらいことこのうえない!

2009/08/12 13:40:10

樹林帯で見つけたキノコ(多分マスタケ)。あれでは、採れないなぁと先に進むと 途中の倒木でマスタケ発見! 夕食のおかずに少しだけ袋に詰める。

DSCF8516.JPG

DSCF8518.JPG

2009/08/12 15:39:32

奥黒部ヒュッテ。何とここは普通のお風呂だが、頼めば入れてもらえる(テント泊の人は500円)。

2009/08/12 17:32:54

夕食のおかずはマスタケ。スライスしてから湯がいて、持ってきたマヨネーズであえれば おいしいサラダの出来上がり。

8/13(木):奥黒部ヒュッテから黒部ダム(大町の宿)

奥黒部ヒュッテから黒部ダムまではずっと沢・川・湖の縁をへつるように歩く、かなり長い道。 途中、湖の対岸に渡らなければならないが、ここは船が来て無料で対岸まで乗せてくれる。 実は、わざわざこちらに下ったのも一度この船に乗ってみたかったから...

DSCF8519.JPG

DSCF8522.JPG

2009/08/13 7:41:52

奥黒部ヒュッテから平ノ渡までは狭い登山道と梯子の連続。出来れば4時に出て最初の6:20分の 船に乗りたかったが、暗く雨だったので安全を考えて次の10:20分にする。

2009/08/13 8:02:05

ずっとこんな調子でへつるようにあるく。


DSCF8524.JPG

DSCF8527.JPG

2009/08/13 10:14:58

クラシカルなディーゼル音の船。

2009/08/13 10:17:25

梯子が湖面まで続いているだけで、ベンチどころかゆっくり腰掛ける場所も無い 渡し。まぁ、無料だし、文句は言えない。

DSCF8535.JPG

DSCF8538.JPG

2009/08/13 14:46:04

船から降りたら、黒部ダムまで長い長い道をひたすら歩く。いい加減うんざりしたところで ロッジくろよんに着く。更に10数分歩くと黒部ダムが見えると同時に一般観光客とすれ違うようになる。

2009/08/13 14:56:23

一般観光客に混じって異様な大荷物を背負った登山者...
今日もずっと降ったり止んだりだった為、シャツは雨と汗でぐしょ濡れ。 これが体温で乾くときの臭いは結構きつかったらしく、トロリーバスの中では 我々以外の登山者でも周りで鼻をつまんでいる人がいたけどどうしようもない。 ロッジくろよん辺りでお風呂に入ることが出来れば、最終日用に用意した衣類に着替えたのだけど...トロリーバスで扇沢、バスで大町。大町で観光案内所を訪ねて宿を紹介してもらう。

DSCF8541.JPG

2009/08/13 14:57:47

黒よんダムは放水中だった。

8/14(金):車回収後帰宅

大町では駅そばの旅館七倉荘に泊まった。 安い割には食事も満足できたし、ご主人が登山に理解のある人でなかなか良かった。 大町基点の宿としてなかなかいい所を見つけた。朝はゆっくり、松本まで電車で行き(SUICAが使えなかった)、それから特急バス(2800円*2)で新穂高温泉まで行き車を回収。帰りは松本の浅間温泉で 温泉に入ってからビーナスラインで諏訪までゆっくりドライブしてから中央高速で深夜帰宅。

まとめ

最初の2日間は昼間は曇りで夜になると豪雨。 3日目は雨で停滞。 4〜5日目は何とか晴れた。そして6日目はズット降ったり止んだりの中を 黒部ダムまで歩いた。 6日もいたのに、ある程度晴れたのは2日間のみ。 とはいえ、晴れた2日間が今回のハイライトコースであるので何とか満足できる縦走と言える。

食料

衣類

ザック重量 約20Kg弱(水を除く)