本日のハイライト、畑薙大吊り橋が見えてくる。長い! | |
全長181.7m、足の置場20cm!
二人が一週間分の食料とテント装備で歩けば、揺れる揺れる!! |
吊り橋を渡れば次はヤレヤレ峠。その後、幾つかの短い吊り橋を渡り、途中で会った人に聞いた 通り大岩下から流れている水を充分汲んで程なくすれば無人のウソッコ沢小屋に着く。 この時点で天気予報通り雨になる。
ウソッコ沢小屋は建物自体しっかりしているし、中も綺麗で泊まるには申し分ない。 トイレは外にある。ただ、ドアが無い。もっとも、前に板塀があるので登山道からは見えない。 小屋の周辺にはフシグロセンノウが秋を予感させるように咲いていた。 |
ところが、最初はあれだけ晴れていた空がなんということか、茶臼小屋に近づく に従ってガスって来た。こうなりゃ競争とばかりに急ぐが残念ながら 茶臼小屋に着く頃は辺り一面ガスの中。 |
夕暮れの月と上河内岳。 | |
30分後。今回の縦走は、このように目まぐるしく変わる天気との競争だった。 |
四日目(2005年 8月16日、百間洞山の家泊)
今日は聖平小屋から百間洞山の家まで。
今回の縦走中最もハードなコース。といっても出発は5時前、直ぐに辺りが明るくなってきた。
小聖岳からの聖岳。 | |
小聖岳をすぎ、(前)聖岳まで一気に登っていく。ガレ場に痩せ尾根が連続する。 そして、後半は有名な聖の大斜面をジグザグ行進。落石に注意しながら見上げる頂は 遙かに見えていてもなかなか近づかない。感じとしては、そう、富士山に似ている。 |
五日目(2005年 8月17日、荒川小屋天泊)
食事の用意やテントを畳んだりする必要が無いのはやはり楽だ。
今日は赤石岳を越えて荒川小屋まで。小屋前の沢に沿ってテント場を通り越すと程なく稜線に出る。
稜線に出たら右に赤石岳を目指す。百問平までの急登をこなせばしばらくは本当に気持ちの良い
稜線歩き。振り返れば昨日の稜線をすべてたどることができる。
聖岳、兎岳、中盛丸山、大沢岳の全景。 |
百問平から振り返る。 |
赤石岳の道自体は岩場のそれで、特に問題はないが上を見ると 今にもガラガラと崩れそうな大岩塊がせり出しているのでゆっくり歩こうなどという 気にはとてもなれない。とにかく凄い! |
六日目(2005年 8月18日、千枚小屋天泊)
今日は荒川三山から千枚岳を通って千枚小屋まで。3000mの稜線歩き最終日。
明日は千枚小屋から下山するだけ。
荒川小屋の後ろから直ぐに急な斜面を登り出す。振り返れば大きな赤石岳が聖岳を隠して聳える。 | |
直ぐに雲が湧き上がる。手前の斜面奥に荒川小屋がかすかに確認できる。 | |
目を前方に転じれば目指す悪沢岳から千枚岳。 |
中岳避難小屋先で雷鳥の親子に遭遇。親鳥がポーズを決めてくれた。 | |
親鳥がポーズを決めてくれたのはいいが、子供たちは登山道を塞いで 勝手気まま。人間をおそれる様子は見られない。 |
道は一旦右にトラバース気味に登り、それから一気に頂上に向かう。 ここから千枚岳までは険しい道と咲き乱れる花のミックスとなる。 | |
ナデシコ、マツムシソウ、トリカブトの青や紫の間に白のタカネビランジ等が 咲き乱れる険しい岩場の登山道。 |
悪沢岳頂上からかすかに見える富士山。 | |
千枚岳から悪沢岳をみる。 |
七日目(2005年 8月19日、椹島へ下山)
今日は下山するだけなので6時にゆっくりと起床。
遅い朝食後、出発は7:30頃。既に他のパーティはいない。
最初は午後のバスで畑薙に戻るつもりでいたが、気がつけば11時のバスに
間に合いそうな雰囲気。こういうシチュエーションになると、どうしても
足が急ぎだしてしまう。結局3時間を切る時間で下山し、11時のバスで
畑薙に戻る。帰りは赤石温泉白樺荘で昼食と温泉に入った後、東名静岡から
帰宅。夕食は安楽亭で焼き肉三昧。
花
この時期になるとミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、チングルマ、ハクサンイチゲといったお花畑を彩る代表選手は既に終了し、替わってマツムシソウやトリカブト等が目立つ。今回の縦走は残念ながら雲との競争になってしまったので、他の山域で写真を撮ったと確信できているものはパス。以下の写真の多くは午後に小屋の周りで撮ったもの。
悪沢岳、千枚岳間のお花畑。 |
チシマギキョウ、イワギキョウ、オンタデ、タカネツメクサ、イワツメクサ、ミネウスユキソウ、イワインチン、ハクサンフウロ、セリバシオガマ、クガイソウ、トモエシオガマ、オヤマノリンドウ、トウヤクリンドウ、イワインチン、タカネコウリンカ、ミヤマホツツジ等が記憶にある。
まとめ
天候に恵まれたとは言い難いが、それほど荒れることもなかったのでまあ良い山行であった。
避難小屋等を利用すればもっと日にちを短縮することはできたが、今回のように
昼にはテントを張り、午後はビールと昼寝を決め込むという贅沢な山行も良いものである。
ただし、7日も山に入っていたのに体重の方は全く変動なし。