2014年10月10日~12日:荒沢岳から越後駒ヶ岳周回



(2014年10月10日~10月12日:2泊3日 テント泊)

金色に輝く「銀」の山々を縦走…

※最終日、駒の小屋前から見た銀山平(雲の下)と荒沢岳(右端)

※以下、個人の記録用に撮影時間を併記しています。歩く時間は個人差やその時の状況により大幅に変わります。地図上のコースタイムなどを参考にしてください。

[概要]

銀山平、その名の通り、かつては銀の産出で賑わった秘境(上田銀山・白峰銀山)。 坑道の崩落や只見川の河床を掘り抜いて大勢の死者を出したことで江戸時代末期に閉山となった。 さらに、奥只見ダムが完成した結果、銀山の間歩跡や集落跡は湖底に沈み、今や銀山平という名前に 昔日の面影を残すのみとなった。

ただ、調べてみると

  • 荒沢岳はかつては銀山岳と呼ばれていた
  • 灰吹山・灰ノ又山は銀の精錬方法(灰吹法)に由来?
  • 源蔵山は銀鉱脈の発見者(源蔵)に因んでいる?
等と色々興味深い。

この荒沢岳・灰吹山・灰ノ又山・源蔵山から兎岳を結ぶルートは廃道となっていて、私の持っている2006年の地図には載っていない。 しかし、最近になって再度ルートが整備されたということで、ちょうど良い紅葉のこの時期、満を持して出かけてきました。

10/10:銀山平→荒沢岳→陽の水(テント泊)

9(木)、圏央道・関越道・小出ICから枝折峠に移動してテント泊。
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2014/10/10 7:55:12
10日朝、枝折峠から銀山平の荒沢岳登山口Pに移動。平日とはいえ、既にかなりの車が駐車中(殆どが荒沢岳ピストン)。 トイレを済ませ出発。天気はイマイチだが紅葉は良い感じ…
2014/10/10 8:33:17
暫く登ると前方になにやら険しそうな盛り上がりが…あれが噂の前嵓? 
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2014/10/10 9:12:59
近づくと、その険しさに唖然! 直登ではなくトラバースするはずですが…
よく見ると左下に既に取りついている人が見えます。

取りついている人の部分を拡大すると…
ここから前嵓まで、とにかく長くて急な梯子や鎖が続きます(鎖は毎年10月末に撤去されます)。

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2014/10/10 11:17:53
荒沢岳山頂
日帰りの人は既に下山を開始しており山頂には2人のみ。兎岳方面には2人が先行しているとのこと。
2014/10/10 11:45:45
荒沢岳山頂からは平和で素晴らしい縦走路が続きます。 このルート、マイナーであるが故に行政は対応せず、ボランティア(それも2人)で整備したそうです(駒の小屋の管理人さんに聞きました)。 これだけ長いルートですから大変な労力だったと思います。ただただ感謝です。
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2014/10/10 12:16:38
天気は冴えないものの紅葉は見事です。

2014/10/10 13:01:11
灰吹山、灰ノ又山となだらかなアップダウン。灰ノ又山で先行2名に追いつき、今日の予定等の話をすると、 先頭を歩いていた人が灰吹山過ぎ辺りで熊の親子を見かけたということで皆で陽の水で幕営しようということに… (陽の水の天場か、昨年幕営した兎岳直下まで行くか迷っていたが)
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2014/10/10 13:25:06
灰ノ又山から我々が先頭。
2014/10/10 13:48:35
先の源蔵山は巻いていきます。こんな天気なので山頂には寄らず陽の水の天場に向かいます。
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2014/10/10 13:48:41
2014/10/10 13:51:24
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2014/10/10 15:06:59
源蔵山と巻倉山の鞍部にある陽の水の天場。巻倉山に向かって左に下れば水が流れています。テントを張ったら水を汲み、後は持参の酒を飲みながら 正面の平ヶ岳などを眺めてマッタリ過ごします。
2014/10/10 17:25:25
皆思い思いの場所に幕営。本日は追い越した2名と反対方向(十字峡・丹後山・兎岳)から来た1名でテント4張り(5人)、考えていたよりは賑やかになりました。

10/11:陽の水→兎岳→中の岳→越後駒ヶ岳(駒の小屋でテント泊)

深夜、綺麗な星空に明日の晴天を確信。熊は出ないにしてもキンとした空気を貫く鹿の警戒音が時折響いていた。
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2014/10/11 5:50:59
湿ったテントフライがカチカチに凍っていた。 麓で漂っている靄の上は晴れ渡り。平ヶ岳の左奥には、昨日は見えなかった、燧ケ岳。
2014/10/11 5:55:57
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2014/10/11 5:59:03
夜明け前の薄明かりの中、巻倉山に向かいます。
2014/10/11 6:07:24
巻倉山山頂から見る夜明け。
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2014/10/11 6:08:28
巻倉山山頂。でかい中の岳がドーンと姿を現します。
2014/10/11 6:08:31
兎岳もなかなかカッコ良いです
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2014/10/11 6:10:20
巻倉山からはガクンと下がってから兎岳まで登り返します。
2014/10/11 6:11:16
斜面の紅葉が徐々に鮮やかに…
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2014/10/11 6:15:34
朝日に山が真っ赤に燃え上がりました! 左は丹後山、右は大水上山。
2014/10/11 6:15:41
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2014/10/11 6:21:55 2014/10/11 6:30:29
とにかく素晴らしくて気持ちの良い縦走!
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2014/10/11 7:15:23
昨年幕営した兎岳直下の場所。
2014/10/11 7:17:26
兎岳から見た巻倉山・源蔵山方向。ここまで(さらに丹後山まで)は素晴らしい縦走路です。
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2014/10/11 7:47:19
兎岳から中の岳間は刈払されている(多分今年)けど足場の悪い登山道が続きます。おまけにドデカイ中の岳の登りとかなりキツイ状況に変化します。
2014/10/11 9:33:12
兎岳から約2時間で中の岳山頂。後ろは八海山。
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2014/10/11 9:34:48
荒沢岳(左)と昨日歩いた稜線。
2014/10/11 10:15:02
中の岳避難小屋
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2014/10/11 10:15:39
越後駒ヶ岳(ここから6.2Kmとある)。
2014/10/11 10:18:39
八海山とそこに続く道
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2014/10/11 10:40:48
さて、最後の頂、越後駒ヶ岳に向かいますか… ここから、越後駒ヶ岳手前までは刈払されて道ははっきりしていますが、かなりの悪路です。 風雨や重荷の場合、細心の注意が必要です。
2014/10/11 10:41:10
荒沢岳、あっちの鎖もかなりのものですが…
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2014/10/11 13:28:45
斜って滑落しそうなところばかりの道を延々と超えて、やっと越後駒ヶ岳手前まで… 実際の山頂はあの先。
2014/10/11 13:54:56
越後駒ヶ岳山頂。中の岳から3時間強…
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2014/10/11 15:40:38
台風19号が遅れ、明日も好天が予想されたせいか小屋もテント場も超満員。 テント張る場所も無く、かといって超満員の小屋泊まりもイヤなので一気に下山も考えたけど…小屋前を整理すれば 十分なスペースができそうなので管理人に頼み込んで強引に張る。張ってみると結構快適…管理人によれば 今年最高の人出で、さらにここに幕営する人は初めてとのこと。因みに同行の2人のうち一人は諦めて小屋どまりに…
2014/10/11 15:41:25
寝場所と水を確保したら、後はいつものようにグダグダ…

10/12:駒の小屋→銀の道→銀山平

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2014/10/12 6:09:10
朝は晴天。放射冷却のせいか夜はかなり冷えて周りの水たまりは凍り付いた。 小屋から見る越後駒の山頂。朝日に照らされて真っ赤に燃え上がりました!
2014/10/12 6:09:25
月も…
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2014/10/12 6:19:09
さて、雲の下の銀山平まで下りますか… (右端は荒沢岳)
2014/10/12 6:19:16
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2014/10/12 7:44:05
振り返って見る越後駒ヶ岳と紅葉。今日もいい天気です。
2014/10/12 7:46:03
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2014/10/12 8:55:06
昨日歩いた兎岳(左端)と中の岳(左中央)。
2014/10/12 10:36:08
枝折峠手前で斜め右方向に延びる「銀の道」に入り、銀山平まで下ります。整備されてはっきりしていますが、 今までとはうって違った静かで足跡もかすかな道になります。
石抱(いしだき)橋を渡る前に「銀の道」の説明版。後ろは『河は眠らない』の言葉を刻んだ開高健の記念碑。 橋を渡って左に車道を荒沢岳登山口の駐車場まで戻ります。

雑感

このルート、開かれたと聞いた時点から歩きたいと思っていた。歩くなら花咲き誇る時期か紅葉の時期に限るが、登れる期間の短い豪雪地帯でもあり、 中々機会を逸していた。今回、やっと実現したわけだが期待に違わずすばらしい縦走路でした。古い道が残っていたとはいえ、荒沢岳から兎岳までを 広く整備していただいた地元の名も知らぬお二人に感謝です。最終日に銀の道で折れた枝を伐採していた2人組にすれ違った、ヒョットして「例の2人?」 と思ったが大分先に進んでから気が付いたので、そのまま進んでしまった。もし「例の2人」ならお礼の一言を言いたかったと後悔中です…

ただ、素晴らしいといっても荒沢岳の鎖場と中の岳・越後駒ヶ岳間は初心者は避けるべきです(過去に死亡事故もあったようです)。また、相当の健脚者でない限り(小屋の無い)山中一泊が必要です。